雑草・害虫・忌み枝

これらは全て『人にとって都合の良くないもの』です。

「雑草という名の草はない」 
「虫に害虫も益虫もない」 
「木に忌み枝(不要枝)はない」  

木にとって無駄な枝や葉は一つもありません。
それぞれに理由があってそこに存在している、言わば「意味枝」です。

木は主枝が弱ってくるとそれを補うための枝を出したり、光合成に必要な枝葉が足りなくなると徒長枝を出したりする等の対策を取ります。生きるために茂り、大きくなり、葉っぱを散らしている。人が誕生する何億年も前から同じ営みを続けてきたのです。
だから、忌み枝だから必ず切らなければならないということはありません。
そこにあると美観を損ねる、維持管理上問題があると人間が考えた枝がたまたま不要な枝になってしまい「申し訳ないが手を入れさせてもらう」という気持ちで全ての木に接してほしい。
不要枝とは人にとっての不要な枝です。木にはそれらの枝を生やしている理由があります。だから、人は美観上や管理上などと切りたい枝にそれなりの理由を考え、何も言わない木に説明して折り合いをつける責任があります。
それが剪定という作業です。訳もなく一方的に切ってはいけません。

参考文献 木下 透『剪定「コツ」の教科書』 講談社 2022年